【海外展示会レポート】SWITCH 2025

Image by: SWITCH2025 Website

開催日程: 2025年10月29〜31日

会  場: Sands Expo & Convention Centre, Marina Bay Sands(シンガポール) 

主  催: Enterprise Singapore(EnterpriseSG)/ 国家研究財団(NRF)

テ ー マ: Powering Innovation, Creating Our Future

規  模: 来場者20,000名以上、出展社400社以上、国際パビリオン30以上、スピーカー400名以上

はじめに

2025年10月29日から31日にかけて、シンガポールのSands Expo & Convention Centre, Marina Bay Sandsにて、アジア最大級のイノベーション・テクノロジーイベント「Singapore Week of Innovation and Technology(SWITCH)2025」が開催されました。シンガポール建国60周年(SG60)の記念プログラムの一環として、第10回記念大会として開催された本イベントは、「Powering Innovation, Creating Our Future(イノベーションで未来を創る)」をテーマに、過去最高水準の熱気に包まれました。Enterprise Singapore(EnterpriseSG)と国家研究財団(NRF)が主催し、150カ国以上から20,000人を超えるイノベーター、投資家、政策立案者、スタートアップが一堂に会しました。

会場はMarina Bay Sandsの広大なトレードフロア全体を使用し、AI・量子技術・ヘルスバイオメド・サステナビリティ・スマートマニュファクチャリングの5分野を軸に、400社以上の出展企業と30を超える国際パビリオンが軒を連ねました。その規模と密度は、シンガポールがアジアの「ディープテックハブ」へと進化していることを来場者に強く印象付けました。

圧倒的な存在感を示す韓国勢

会場で特に目を引いたのは、メインステージ隣に広がる韓国パビリオンの圧倒的な存在感でした。中小ベンチャー企業部(MSS)とKISED(韓国スタートアップ・アントレプレナーシップ振興院)が主導し、釜山スタートアップ投資機関、大田テクノパーク、KAIST発スタートアップ支援機関なども連携した官民一体の体制で、AI・製造・バイオテック・サステナビリティ分野を中心に30社以上が出展しました。

韓国勢の特徴は、政府の強力なバックアップのもとで組織的かつ戦略的に動いている点にあります。KISEDによると、2025年のSWITCH参加規模は2022年以降で最大となりました。また、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)も別途「Korea Content Pavilion」を展開し、放送・ゲーム・アニメーションなどのコンテンツテック企業を率いて参加しました。SLINGSHOTのトップ60ファイナリストにも複数の韓国企業が選出されるなど、その競争力の高さが示されました。

翻って日本勢を見ると、JETROや横浜市、福岡市などが支援する形でスタートアップが参加していたものの、ブースの規模・連携度・プレゼンスの面で韓国勢との差は歴然としていました。国を挙げた組織的な海外展開支援という観点で、日本が参考にすべき点は多いと言えるでしょう。

次世代の担い手:学生起業家の台頭

もう一つ印象的だったのは、学生・若手起業家によるブースの活気です。シンガポール・ポリテクニック(SP)はSPパビリオンを設け、学生主導のスタートアップを複数出展させました。AIを活用した動画自動編集プラットフォーム「Videotto」は、SPとNgee Ann Polytechnicの学生が共同創業し、すでにベンチャーキャピタルからの資金調達を完了しています。その他にも、AIを活用した短期レンタルマッチング「SnapRent」や、コンピュータビジョンでリハビリをゲーム化する「Rehabify」など、社会課題に正面から向き合うソリューションが学生の手から生まれていました。

ブースに立つ学生たちのプレゼンテーションは堂々としており、来場者からの鋭い質問にも臆することなく応じていました。これは「シンガポールの教育が起業家精神を育んでいる」という言葉を体現する光景であり、若い世代がイノベーションの最前線に立つという国家的な方向性が、展示会の場で確かに実感できました。

SLINGSHOT 2025:世界を驚かせたピッチコンペティション

SWITCHの最大の見せ場であるSLINGSHOT 2025は、150カ国・6,800社超の応募の中から選ばれた上位60社がライブピッチを行う、アジア最大級のスタートアップ・ピッチコンテストだ。グラント賞金の総額はS$200万超に上り、シンガポールのone-northイノベーション拠点(JTC LaunchPad)でのワークスペースやIP支援、ビザ取得サポートなども含まれる。

2025年の優勝は英国・オランダのGoldilock Secure(物理的ネットワーク遮断型サイバーセキュリティ)、準優勝はスペインのLoop Diagnostics(敗血症早期検知技術)、3位はシンガポールのNalaGenetics(遺伝子データを活用した個別化医療)でした。欧州勢が上位を占めた結果は、SWITCHがアジアのイベントにとどまらない真のグローバルステージであることを示しています。

展示会ビジネスとしての視点

SWITCHは単なる展示会ではなく、「研究・資本・市場需要が交差する実践的なマーケットプレイス」として機能しています。政府・民間・アカデミアが三位一体で動き、会期中にはMoU締結や実証パイロットの合意が相次ぎました。来場者の約半数がC-Suite、創業者、取締役といった意思決定者という構成は、ビジネス展示会としての質の高さを裏付けています。

日本企業にとっては、SWITCHはスタートアップの海外デビューにとどまらず、東南アジア展開を見据えたパートナー探索、市場調査、投資機会発掘の場として戦略的価値が高いと言えます。韓国のように官民が連携した「国家ブース」の形で参加することで、個社の枠を超えたプレゼンスを示せるというモデルは、日本企業・行政双方にとって学ぶべき示唆を与えてくれるでしょう。

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