【海外展示会レポート】EDUtech Asia 2025 - AIが教育を変える、アジア最大の教育テクノロジーイベント 

Photo credit by: EduTechAsia2025 by terrapinn

開催日程: 2025年11月4日(プレカンファレンス)/5〜6日(本会期)

会  場: Sands Expo & Convention Centre, Marina Bay Sands(シンガポール)

主  催: Terrapinn Holdings Ltd.

規  模: 来場者8,000名以上、スピーカー450名以上、出展社250社以上

テ ー マ: Positive Disruption: Unlocking Limitless Potential in Education with AI and Tech

第10回記念大会が示した「AIと教育の新章」

2025年は、EDUtech Asiaにとって節目の第10回大会だった。「ポジティブな破壊的革新——AIとテクノロジーで教育の無限の可能性を解き放つ」というテーマのもと、8,000名を超える教育者、政策立案者、テクノロジー企業が一堂に会し、アジアの教育の未来像を熱く議論した。 

「10年間、私たちは変化を先導してきた」とManaging DirectorのSophia Ku氏は語る。AIが急速に浸透する今、単に変化に対応するのではなく、変化を牽引する立場にあるという同氏の言葉は、本フェアの姿勢を端的に表している。 

主要セッションとキーメッセージ

基調講演では、メルボルン大学のPasi Sahlberg教授が「テクノロジーは豊富なのに変革が乏しい学校がなぜ存在するのか」という問題を提起し、AIの真の教育的インパクトを引き出すために何が必要かを鋭く論じた。テクノロジー導入そのものが目的化することへの警鐘は、多くの教育者に共感をもって受け止められた。 

議論の中心を占めたのは生成AI(Generative AI)の活用だ。教員のAIリテラシー向上から、AIを活用した個別最適化学習(Differentiated Instruction)、デジタルペダゴジーの実践まで、450名以上のスピーカーが自校・自国での取り組みを発表した。特に「AIを活用した教員育成」と「学習の公平性・デジタルデバイドの解消」は、アジア全域の共通課題として浮かび上がった。 

展示エリアのハイライト

無料公開の展示エリアには、Google for Education、Lenovo、Samsung、Canvas by Instructure、edX、AWSなど200社以上が出展。各ブースでは生成AIを組み込んだ学習管理システム(LMS)、AR/VRを活用した没入型学習体験、サイバーセキュリティ教育ツールなどが実演された。 

「Start-Up City」と名付けられたスタートアップ専用ゾーンには60社が参加し、革新的なEdTechソリューションが披露された。教育機関のバイヤーと直接商談できる場として機能しており、スタートアップ企業にとっての実践的な市場開拓の場となっていた。 

「Show & Tell」セッションも好評を博した。教育者が壇上に立ち、自らの教室での実践を共有する形式は、机上の議論ではなく「現場から現場へ」の知識移転を可能にし、来場者から高い評価を得た。 

現場から聞こえた声——テクノロジーと原点回帰

今回のフェアを通じて感じたのは、教育テクノロジーの展示が「製品・サービスのアピール」に留まりがちであるという課題だ。来場者や教育現場の声として多かったのは、それらのツールをいかにして教師・教育者が授業に取り込み、子どもたちの興味を引き出し、アイデアを生み出させるか——そうした包括的な活用プランの提示を求める声だった。優れたEdTechツールも、教師の実践的な運用設計と組み合わさって初めて真の価値を発揮する。出展企業には、製品の機能訴求にとどまらず、授業設計レベルまで踏み込んだ提案力が今後ますます求められるだろう。 

一方で、AIやITといったデジタルデバイスの潮流が主流となる中、「実際に自分の手で実験をする」という原点回帰の重要性を訴える声も来場者から聞かれた。デジタルと体験学習の融合——これこそが次世代の教育テクノロジーに求められる方向性かもしれない。テクノロジーは手段であり、目的は子どもたちの探究心と創造力を育てることだという基本に立ち返るべき時期に来ているのではないだろうか。 

ビジネス機会としての教育テクノロジー市場

シンガポールを起点とするASEAN教育テクノロジー市場は急速に拡大している。政府の積極的なデジタル教育投資、人口ボーナスを抱える若年層市場、そしてオンライン教育の普及加速という三つのドライバーが重なり、参入機会は大きい。日本企業にとっても、EDUtech Asiaは東南アジアの教育ニーズを肌で感じ、現地パートナーを発掘できる場として戦略的価値が高い。展示会ビジネス支援の観点からも、EdTech企業の出展サポートや商談設定支援は有望な事業領域といえる。 

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