【海外展示会レポート】Food & Hospitality Asia (FHA) 2026

Photo taken by GGA staff 賑わうシンガポールパビリオン

開催日程: 2026年4月21〜24日   

会  場: Singapore EXPO(シンガポール)  

主  催: Informa Markets 

規  模: 2,750社以上、80,000名以上の来場者、115カ国以上、10ホール・18セグメント 

同時開催: ProWine Singapore、IndusFood Asia 

特  徴: FHA-F&BとFHA-HoReCaが初めて統合。過去最大規模の開催 

47年の歴史、「10年に一度」の統合開催

2026年4月21日、Singapore EXPOにてFood & Hospitality Asia(FHA)2026が開幕しました。47年の歴史を持つ本展示会は、アジアの食・飲料・ホスピタリティ業界における最大規模の総合見本市として知られています。 

今回の最大のトピックは、これまで別々に開催されてきたFHA-Food & Beverage(食品・飲料)とFHA-HoReCa(ホテル・レストラン・カフェ向け産業財)が初めて一つの会場・一つの入場券のもとに統合されたことです。さらにProWine SingaporeとIndusFood Asiaも同時開催。主催者発表によると、10ホール・18の専門セグメント・2,750社以上・80,000名超という規模は、まさに「10年に一度の統合版」と呼ぶにふさわしい内容でした。出展企業の4割弱が初参加であり、800,000点以上の製品・ブランド・イノベーションが一堂に会しました。 

活況を呈した会場——産業財ブースの熱気と食品エリアの賑わい

開催初日から来場者の数は多く、アジア最大級の食・飲食業界イベントへの注目の高さが改めて実感されました。会場内は大きく「産業財・設備系」と「食品・飲料系」に分かれており、それぞれ異なる熱気を放っていました。 

産業財・HoReCaエリアでは、調理設備・厨房機器・食品加工技術・AIを活用した飲食オペレーション支援など、最新テクノロジーの展示が並んでいました。バイヤーとサプライヤーが真剣な表情でスペックを確認し、その場で具体的な商談へと発展していく場面が随所で見られました。「展示を見に来た」というより「仕入れを決めに来た」という雰囲気が色濃く、FHAがアジアの飲食業界の実質的な調達の場として機能していることを証明していました。 

食品・飲料エリアでは、各国が趣向を凝らした展示で来場者を迎えていました。試食・試飲コーナーに多くの来場者が足を止め、会場のあちこちから調理の香りが漂っていました。今年は欧州連合(EU)が「Region of Honour(名誉地域)」として中心的な役割を担い、イタリア貿易機関は100社以上のイタリアブランドを率いて参加していました。現地在住のイタリア人シェフによるライブ調理デモを行う「Italian Taste Lab」が大きな注目を集めていました。 

お膝元のシンガポールブースも印象的でした。会場内にいけすを設置し、ロブスターを生きたまま展示するという迫力ある演出で来場者の目を引いていました。また、屋内栽培(インドアファーミング)で育てた新鮮な葉野菜も陳列されており、都市国家ならではの食料安全保障への取り組みと農業テクノロジーの進化を体感できる展示となっていました。「食材の鮮度と生産背景を見せる」という訴求は、産地から遠い都市部のバイヤーには特に刺さるアプローチだと思います。 

台湾ブースでは、ハラール(HALAL)認証を取得した商品だけを集めた特設コーナーが設けられていました。東南アジアではマレーシア・インドネシアを中心にイスラム教徒人口が多く、ハラール市場は急速に拡大しています。台湾がASEAN市場への輸出拡大を見据えてハラール対応を戦略的に打ち出している姿勢は、日本企業にとっても参考になる視点だと思います。日本食品がASEAN市場、特にマレーシア・インドネシアへの本格参入を目指す際には、ハラール認証の取得が大きな鍵となるでしょう。 

会場全体を通じて気になったトレンドのひとつが、パウチ型パッケージの多さです。ジュース・ゼリー・サプリメント・スープ・栄養補助食品など、さまざまなカテゴリーでパウチ包装が採用されており、その多様さに目を引かれました。持ち運びやすさ・個食対応・衛生面での利便性に加え、ECでの配送コスト削減にも優位なパウチ形式は、アジア市場で急速に支持を広げています。食品の中身だけでなく、「どう届けるか」という容器・包装の工夫が、バイヤーの購買判断に影響する時代になっていることを改めて実感しました。 

ジャパンブースに見る、日本食の底力

日本パビリオンは今年も多くの来場者で賑わいを見せていました。日本食材・加工食品・調味料・飲料など幅広いカテゴリーの出展企業が揃い、試食コーナーには絶えず人が集まっていました。「日本食」というブランドの信頼は依然として高く、来場者が足を止めて熱心に話を聞く姿が印象的でした。 

今回、九州からASEAN市場への販路拡大を目指す魚の養殖・販売事業者に話を聞く機会を得ることができました。これまで2年をかけて世界的な認証取得に取り組んできたといい、その認証取得を機に海外バイヤーとの商談の扉が大きく開いたとのことです。「認証があると、バイヤーの反応がまったく違う。話を聞いてもらえる土俵に立てる」と語るその言葉に、日本の食品事業者が海外市場へ打って出るうえで「品質の証明」がいかに重要かが凝縮されていると感じました。 

「認証取得には2年かかりましたが、認証を取ることにより大手のホテルやレストランからの引き合いがあり、今の自信につながっています。FHAのような場に来て、世界中のバイヤーと直接話せることが本当に価値あることだと実感しています。」—九州・魚養殖事業者(展示会会場にてGGA取材)

今回、筆者も試食の機会をいただきましたが、まず印象的だったのは、臭みのなさです。養殖魚にありがちな臭みがなく、口に入れた瞬間からクリーンな味わいが広がります。脂の程よい甘さ、しっかりとした噛み応え、そしてふっくらとした食感が見事に調和しており、素材そのものの品質の高さが伝わってきました。長年にわたる養殖技術の積み重ねと品質管理へのこだわりが、一口の中に凝縮されていると感じました。 

FHA 2026が示す、食産業の近未来

FHAの展示全体を通じて感じたのは、食産業の構造変化が加速しているということです。FutureFWDゾーンでは、AIやロボティクスを活用した食品加工・配膳自動化・データドリブンなメニュー開発など、テクノロジーと食が融合するソリューションが多数展示されており、また、代替タンパク・栽培肉・持続可能なパッケージングなど、サステナビリティへの対応は業界全体の共通課題として各社が取り組みを競っていました。 

2034年までにアジアのF&B市場は3.3兆USドルを超えると予測されており、その成長の中心にASEAN・インド・中国が位置する現在、FHAはその市場を一望できる場の一つとして存在感を増し続けていると感じました。 

日系企業にとってのFHAの意義

FHAは食品・飲料メーカーだけでなく、食産業に関わるすべての企業 —調理設備・包材・物流・テクノロジー— にとってもASEAN市場参入の最重要ゲートウェイと言えるでしょう。今回の九州の事業者のように、品質認証を取得したうえで展示会に臨むことで、商談の質と速度が大きく変わります。FHAを「見に行く場所」ではなく「商談を成立させる場所」として設計することが、次世代の日本企業の海外展開に求められる姿勢です。 

GGAでは今後もFHAをはじめとするシンガポールの食関連展示会をフォローし、日系企業の皆様の出展支援・商談設定に役立つ情報を発信していく所存です。 

【主な数字の出典】

・2,750社以上/80,000名以上/115カ国以上/10ホール・18セグメント/出展企業の37%(約4割弱)が初参加/800,000点以上/EUがRegion of Honour:Informa Markets公式プレスリリース(2026年3月11日・4月22日) 

・アジアF&B市場3.3兆USドル(2034年予測):Fortune Business Insights(foodnhotelasia.com公式サイトより引用) 

・ホスピタリティ市場1,812億USドル(2029年予測):Statista(foodnhotelasia.com公式サイトより引用) 

・イタリア貿易機関の100社以上出展:Alvinology(現地レポート、2026年4月21日) 

・47年の歴史:FHA公式サイト(foodnhotelasia.com)およびIFBA(ifbaworld.com) 

※ シンガポールブース・台湾HALALブース・パウチ型パッケージトレンド・ジャパンパビリオン・九州魚養殖事業者の内容は筆者の現地取材に基づく観察です。 

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【海外展示会レポート】Beyond Motion 2026