【海外展示会レポート】SG Pet Festival 2026

Photo takn by GGA staff

ペットは家族~シンガポール最大のペットの祭典が映し出すアジアのペット市場の今~

開催日程: 2026年7月31日(金)〜8月2日(日)

会  場: Marina Bay Sands Convention Centre (シンガポール)

規  模: 300社以上・800以上のブランド・4ホール開催(過去最大規模)

シンガポール最大のペットイベント、過去最大規模で開催

2026年7月31日、Marina Bay Sandsにてシンガポール最大のペットイベント「SG Pet Festival 2026」が開幕しました。シンガポール最大のペット専門メディア・コミュニティであるClubpetsブランドを運営するCitrus Media Pte Ltdが主催する本イベントはが主催する本イベントは、今年で過去最大規模の開催となり、4つの展示ホールに300社以上・800以上のブランドが集結しました。

フード・おやつ・サプリメント・アクセサリー・おもちゃ・ウェアラブル・グルーミング・医療・保険まで、ペットに関するあらゆる商材が一堂に会するだけでなく、第8回TICA Cat Show(国際審査員によるペディグリー猫の審査)、シンガポール初の国際グルーミング競技会(ISCC資格認定付き)など、見て楽しめるコンテンツも充実した3日間となりました。

平日にもかかわらず:ペット連れの来場者で賑わう会場

筆者が訪れたのは平日でしたが、会場はペットを連れた来場者で大いに賑わっていました。その光景で印象的だったのは、連れてこられるペットの種類の多様さです。一般的によく見かける犬・猫はもちろん、珍しい種の犬・猫の姿も多く見られ、さらにニワトリやうさぎなどの小動物を抱えて来場する方の姿もありました。

地下2階に独立して設けられたHall D(猫・小動物専用ホール)では、鳥・モルモット・チンチラなどの小動物の展示も行われており、犬猫にとどまらないペット文化の広がりをリアルに感じることができました。シンガポールという都市国家でここまで多様なペットが愛されていることは、アジアにおけるペット市場の成熟と拡大を示す象徴的な光景でした。

ジャパンパビリオンと韓国パビリオン:国を挙げての参戦

出展者の構成という観点でも、今回のSG Pet Festivalは見どころがありました。ジェトロが本展示会に初めて設置したジャパンパビリオンには、日本各地から17社が出展。日本・シンガポール外交関係樹立60周年記念事業の一環として実施されたもので、会場正面という好位置に構えられ、日本からの出展者を束ねる存在として際立った存在感を示していました。犬猫向けサプリメント、デンタルケア用品、シャンプー、冷感マット、シーフードを使用したペットフードなど、日本の品質を前面に押し出した構成でした。

一方、韓国も国別パビリオンを設置し、その出展規模は24社。フード・サプリメント・アクセサリーなど多様なカテゴリーを揃えた構成は、Beauty Asiaなど他の展示会でも見られた「韓国の組織的参戦」の手法が、ペット市場でも同様に展開されていることを印象づけました。

商材のトレンド:カラフル・高品質・人間と同等の価値観

会場を歩いて感じたのは、ペット向け商材の質とバリエーションが、もはや人間向けのものと遜色ないレベルに達しているということです。フード売り場では、グレインフリー・オーガニック・ヒューマングレードといった訴求が目立ち、原材料の産地や製造工程を丁寧に説明するブースが多数ありました。

アクセサリーや洋服のブースでは、カラフルで個性的なデザインの商品が来場者の目を引いていました。ペットのための洋服・バッグ・寝具が、ファッション感度の高い消費者向けに設計されており、単なる実用品を超えたライフスタイル商品として展開されている点が印象的でした。サプリメントの分野でも、腸内環境・関節ケア・皮膚健康など機能別に細分化された製品が並んでいました。

日本ブースから聞こえた声:初出展企業の挑戦

日本パビリオンの中で、海外展示会に初めて出展するという企業に話を聞く機会がありました。こちらは、日本で育てた牧草や野菜を乾燥させた、動物にやさしい自然由来のフードを提供するブランドです。

ブースでは、乾燥させた牧草の自然な香りがひときわ印象的で、通路を歩く来場者が思わず足を止める場面が繰り返し見られました。「どこで買えるのか」という問い合わせが相次ぎ、商談の糸口となる場面も複数ありました。ペット向けであっても、牧草の香りや見た目の自然さが来場者の関心を引くという点で、日本の自然素材へのこだわりが国際市場でも明確な訴求力を持つことを示す好例でした。

💡 GGAが注目するポイント

今回のSG Pet Festivalで観察された日本企業の初出展事例は、海外販路拡大に向けた市場調査として参加したものです。シンガポールという市場での消費者の反応を直接確かめるという目的において、展示会は非常に有効な場として機能していました。「作り手のこだわり」と「牧草・素材の本物らしさ」は、情報が溢れる現代の消費者にとって強力な差別化要素です。牧草の香りや見た目といった五感に訴える体験型展示は、展示会というリアルな場だからこそ最大限に活きる訴求方法といえます。

「ペットは家族」:付加価値時代のペットビジネス

SG Pet Festival 2026全体を通じて感じたのは、ペットビジネスが「モノを売る」フェーズから「価値を届ける」フェーズへと明確にシフトしているという事実です。フード・グッズ・医療・保険・美容・旅行といった分野を問わず、ペットを家族の一員として捉える消費者に向けて、単なる機能や価格ではなく「このブランドが提供する豊かな暮らし」を訴求するアプローチが主流になっています。

シンガポールはアジアのペット市場においても先進的な位置にあり、ここで受け入れられるコンセプトや商品は、マレーシア・タイ・インドネシアなど周辺ASEAN市場への展開においても参考になります。日本のペット関連企業にとって、SG Pet Festivalはシンガポールを起点にアジアのペット市場全体を見渡すための戦略的な場となりえます。

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