【海外展示会レポート】Food Japan 2026

Photo takn by GGA staff

「あなたの商品は、3秒で伝わりますか?」 ~“印象を残す” ブースづくり~

開催日程: 2026年10月22日(木)〜24日(土)

会  場: Suntec Singapore Convention & Exhibition Centre(シンガポール)

規  模: 第14回。日本の39都道府県から188社・団体が出展(前回2025年は153社、来場者数7,326人)

あなたの商品は、3秒で伝わりますか?

展示会の通路を歩く来場者は、1日に何十、何百というブースの前を通り過ぎていきます。足を止めるかどうかを決めるのは、多くの場合ほんの数秒。その数秒で「何の商品か」「自分に関係がありそうか」が伝わらなければ、どれほど良い商品でも、商談のテーブルにはたどり着けません。

海外の展示会に出るということは、現地の人にとってまったく知らない商品を、限られたスペースと時間で理解してもらうということです。今回は、そんな視点を持ちながら、シンガポールで開催された「Food Japan 2026」を歩いてきました。

Food Japan 2026とは:ASEAN最大級の日本食品見本市

Food Japanは、ASEAN市場最大級の日本の食に特化した見本市で、2026年10月22日から24日までの3日間、Suntec Singapore Convention & Exhibition Centreで開催された。主催はFood Japan実行委員会(OJ Events Pte Ltd)で、在シンガポール日本国大使館、農林水産省、JETRO、自治体国際化協会(CLAIR)、シンガポール政府観光局などが後援している。一般公開は最終日の24日のみで、22日・23日は業界関係者向けとなっている。

出展対象は、農産品・水産品、加工食品、菓子、アルコール飲料、日本茶、厨房機器、食品製造機械など幅広く、輸入・輸出業者、商社・卸、小売、ホテル・レストラン、食品メーカーなどとの商談の場として位置づけられている。

出展社は増えたのに、会場がコンパクトに見えた理由

主催者発表によると、前回2025年の出展社数は153社。今回は会期速報で、日本の39都道府県から188社・団体が出展したと発表された。数字の上では増えているが、実際に会場を歩いた筆者の印象は少し違い、会場全体も各ブースも、こぢんまりとした印象を受けた。

理由の一つは、各都道府県がコンソーシアム(共同)ブースを設け、小規模な企業のブースが多く並んでいたことだと考えられる。日本酒のエリアのように、1つの大きなブースに複数社が入る形も多く見られた。海外への挑戦は初めてという事業者の姿もあり、毎年出展する常連企業が中心だった頃から、新しく挑戦する企業が増える流れに変わりつつあると感じた。

共同ブースは、初めての海外展示会に挑戦しやすい仕組みだ。一方で、似た商材が並ぶ中では、一社一社が埋もれやすくなる。出展社が増えるほど、「来場者の記憶にどう残るか」という工夫の差が、成果の差につながるのではないだろうか。

共同ブースのメリットと、差別化の課題

共同ブースは、出展する企業にとって魅力の多い仕組みだ。一方で、同じ空間に似た商材が並ぶ分、課題もある。

メリット 課題・デメリット
コストを抑えられ、出展しやすい(小間代や装飾などの負担を分け合える) ブース全体の中で目立ちにくい
出展の手間が省ける(申込みや設営、運営を、自社だけで行うより軽くできる) 似た商材が並び、比べられやすい。差別化の工夫が欠かせない
初めての海外挑戦でも、一歩を踏み出しやすい ブースのつくりを自社で決めにくく、世界観や商品の魅力を出し切りにくい

つまり、共同ブースは「出展しやすさ」と引き換えに、「目立ちにくさ」を抱えやすい。だからこそ、共同ブースの中でも、1社ごとに「何の商品か」を数秒で伝える工夫が、差別化の鍵になる。

日本酒、ラーメンスープ、菓子、調味料:並べるだけでは伝わらない

商材は、日本酒、ラーメンスープ、菓子、調味料といったラインナップが目についた。その中で、見せ方に工夫があると感じたのがラーメンスープのブースだった。ヴィーガン認証の写しや、完成形を再現した見本、詳細ページに飛べるQRコードが卓上にそろっていて、通りがかりに見ても「どんな商品か」「誰に向いているか」が分かる。一方で、菓子や調味料は、さまざまな種類の商品が整然と並んでいると見た目にはきれいだが、ぱっと見では何の商品なのかが分かりにくい。たとえば地元の野菜を使った菓子や調味料であれば、背面のパネルに原材料である野菜の写真イメージを大きく掲げるだけでも、初めて商品を目にする現地の来場者にとっては、味や特徴を想像する手がかりになるはずだ。

チェックリスト:3秒で伝わるブースの5つのポイント

チェック項目 ポイント
☐ 1 原材料や中身の写真があるか 商品名より先に目に入る位置に。パッケージだけで中身を想像してもらうのは難しい
☐ 2 英語の一言キャッチがあるか 「何の商品か」を1行で。説明文より、短く強い言葉を
☐ 3 完成形・食べ方の見本があるか ラーメンスープなら一杯のどんぶり、菓子なら食べ方の提案など、使う場面が見えること
☐ 4 QRコードで詳細に飛べるか ブースが混んでいて話せなくても、あとから商品情報にたどり着ける導線を
☐ 5 認証・受賞などの信頼の印が見えるか ヴィーガン、ハラール、受賞歴など。初めて見る人ほど、客観的な印を頼りにする


💡 GGAが注目するポイント

共同ブースは、初めての海外挑戦の入口として有効な仕組みです。一方で、同じ会場に似た商材が並ぶため、1社ごとの「見せ方」の差が、来場者の記憶に残るかどうかを分けます。「商品が良ければ伝わる」ではなく、「初めて見る人に、数秒で伝わる形にする」ことが、海外の展示会では成果の分かれ目になります。


展示会は、終わってからがスタート

どれだけ良いブースをつくっても、展示会そのものがゴールではない。会期中に獲得したリード先にアプローチし、コミュニケーションを重ねて商談につなげていくことで、はじめて出展が成果になる。しかも、連絡が遅れるほど、相手の記憶は薄れていく。出展後の30日を、次のように進めることをおすすめしたい。

時期 やること ポイント
72時間以内 リードの優先順位づけ、お礼メールの送信 優先順位に応じて文面を変える。優先度の高い相手には、会場で話した内容に触れた個別の文面にする
2週目 アポ入れの準備 英語資料・価格表を整え、サンプル送付(有償・無償)の方針を検討しておく
3〜4週目 オンライン商談 輸入条件、ロット、納期など具体的な話に進める
30日後 振り返りと次の一手の判断 反応の良かった相手、課題になった点を整理し、再出展や販路の方向性を決める

展示会で印象を残し、その後の30日で商談につなげる。この両方がそろって、はじめて海外展開の成功率が高まっていく。

GGA展示会支援サービスのご案内 

Global Gateway Advisors Pte Ltd.では、展示会支援・市場調査支援を行っております。16年にわたる日系企業様の海外進出支援の経験やネットワークを駆使して、単なるイベントに終わらせず、その後のディストリビューターとのマッチング、販路開拓まで包括的に支援が可能です。ご興味のある方は、是非一度ご連絡ください。 

【主なサービス内容】

●    ピッチ資料のブラッシュアップ

●    ロールプレイ・メンタリング

●    ビジネスマッチングの機会創出

●    リード先へのアポイント設定

●    商談への同席

●    現地展示サポート

●    商談後のフォローアップ支援

弊社ではお客様の状況に応じて柔軟にご対応いたします。 

► 初回面談30分は無料です。お気軽にお問い合わせください。




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