シンガポール ワーホリビザ取得方法ガイド:日本人大学生のためのWork Holiday Pass申請手順

シンガポールでインターンシップを予定している日本の大学生に向けて、”ワークホリデーパス(Work Holiday Pass)”の取得方法を解説します。本記事では申請条件から必要書類、オンライン申請のステップ、承認後の流れまで、順を追って説明します。手順に沿って準備すれば、ビザ取得をスムーズに進められると思います。

 
1. ワークホリデーパスとは?概要と特徴

ワークホリデーパス(Work Holiday Pass、略称WHP)は、シンガポールで最長6か月間の滞在と就労を可能にする就労ビザです。大学生や新卒の若者を対象とした制度で、「働きながら休暇(ホリデー)」を楽しむことを目的としています。対象となるのは18~25歳の学生・卒業生で、日本を含む指定された国・地域の大学に在籍または卒業している人です。定員は常時2,000名までとなっており、この枠内であれば申請が承認される限り受け入れられます。

  • 滞在期間: パスの有効期間は発行から6か月間で、延長はできません。

  • 目的と利用: インターンシップや短期就労を経験したい学生に適したビザです。フルタイムの正規雇用ではなく、あくまで一時的な  就労・研修に位置付けられます。また就労先が決まっていなくても申請可能であり、実際に求人応募前にWHPを取得したケースもあります。就労先は自由に探すことができ、フルタイム・パートタイムいずれの形態でも就労可能です(医療・法律など一部資格職は別途シンガポールでの資格登録が必要)。

  • 他制度との違い: シンガポールにはWork Holiday Programme (WHP)と、オーストラリア/ニュージーランド国籍者向けのWork and Holiday Visa Programme (WHVP)の2種類があります。本記事で扱うWHPは日本を含む10か国対象の制度です。一方WHVPは対象国籍が限られ年齢上限30歳・滞在12か月など異なる条件となります。日本人学生の場合はWHPを申請することになります。

2.申請資格:対象者と基本条件

まずは自分がワークホリデーパスの申請要件を満たしているか確認しましょう。主な応募資格は以下の通りです。

  • 年齢: 申請時点で18歳以上25歳以下であること。

  • 大学在籍または卒業: 日本、オーストラリア、フランス、ドイツ、香港、オランダ、ニュージーランド、スイス、イギリス、アメリカのいずれかの国・地域に所在する大学の学生(在学中)もしくは卒業生であること。大学は各国政府から正式に認可された高等教育機関である必要があります。

  • 在学生の場合: 申請前に少なくとも3か月以上、その大学にフルタイムで在籍・居住していること。3か月未満の場合は対象外となるので注意してください。

  • 卒業生の場合: 在学中に当該大学にフルタイムで在籍・当該国に居住していたこと。卒業後何年以内という明確な期限はありませんが、年齢制限内である必要があります。

  • 経済的な自立: シンガポール滞在中、自身の資金で生活できること。実際の申請フォーム内で所持資金額など十分な資金を有する旨の宣誓が求められます。明確な金額基準は公開されていませんが、少なくとも数十万円程度(渡航費や6か月の生活費相当)を示せると安心です。

  • その他: 健康であること、重大な犯罪歴がないことが望ましいとされます(公的に証明書提出は求められませんが、万一虚偽申請が発覚すると不許可になる可能性があります)。また現在シンガポールで留学中の方や、対象国以外の大学に在籍している方はこの制度の対象外です。

補足: 以前にWork Holiday Passを取得したことがある場合、最後に所持していた日から12か月経過しないと再申請できません。基本的に同一人物が連続してWHPを利用することはできないので、注意しましょう。

3.申請における必要書類

続いて、オンライン申請前に必要となる書類を準備します。書類はすべてPDFもしくはJPEG形式で用意し、各ファイルサイズは2MB以内に抑える必要があります。主な必要書類は以下の通りです。

  • パスポートのコピー: 顔写真と個人情報が記載されたページのカラースキャン(有効期限が最低半年以上残っているパスポートが推奨される)。

  • 在学証明書または卒業証書(英文): 在学中の方は英文の在学証明書を、卒業済みの方は卒業証書または成績証明書を用意する必要があります。在学証明書は大学発行の英文レターで、氏名・生年月日・国籍・在籍状況(在学中であること)が記載されたものが必要です。申請日から逆算して3か月以内に発行されたものに限られるため、タイミングに注意してください。日本の大学でも英文の在学証明や卒業証明を発行できる場合が多いので、大学の教務課などに問い合わせましょう(発行に時間がかかる場合もあるため早めの準備がおすすめです)。

  • 学生証のコピー: 在学中の方のみ必要です。

  • (留学中の場合)学生ビザのコピー: 在籍大学が自国以外(例えば日本人が米国や欧州の大学に留学中)の場合、その留学先国で発行された学生ビザや滞在許可証のコピーも求められます。日本国内の大学に通っている場合は不要です。

  • 追加書類: 上記以外にも、審査過程で追加書類提出が求められることがあります。例えば、経済状況を確認するため銀行残高証明や、インターンシップ先からの内定書類の提出を求められたケースもあるようです。要求があった場合は指示に従い速やかに対応しましょう。

補足: 提出書類は必ず英語で用意します。日本語等で書かれた原本しかない場合は、公的な英訳を添付する必要があります。大学発行の証明については、最初から英文で発行してもらうのが確実です。また各書類はすべてフォームにアップロードするため、スキャンの解像度やファイル形式に注意し、不鮮明な部分がないようにしてください。

4.オンライン申請の方法とステップ

書類の準備が整ったら、シンガポール人材開発省(MOM: Ministry of Manpower)のオンラインシステムからワークホリデーパスの申請を行います。以下に具体的な申請ステップをまとめます。

1. 申請サイトへアクセス: MOM公式サイトのワークホリデープログラム専用ページからオンライン申請フォームにアクセスします(MOMの「Apply for Work Holiday Pass」というeServiceを利用)。24時間利用可能ですが、メンテナンス情報にも留意しましょう。

2. 申請フォームの入力: フォームに従い、個人情報(氏名・生年月日・連絡先・パスポート情報等)や学歴情報(在籍大学名、専攻、在 学/卒業状況)を入力します。また渡航予定日や滞在予定期間も尋ねられます。予定が決まっていれば正確に、未定の場合も大まかな渡航時期を入力しましょう。

3. 必要書類のアップロード: 準備したPDF書類をフォームの案内に従ってアップロードします。ファイルごとに指定されたカテゴリー(パスポート、在学証明書など)に添付し、全て正しく添付できたら次へ進みます。アップロード後にプレビュー表示で内容が確認できる場合は、文字のかすれ等がないか念のためチェックしてください。

4. 申請内容の確認と送信: 入力内容と添付書類を最終確認し、問題なければ送信します。送信後、システムから受付確認のメールが届く場合があります。申請番号や受付日時を控えておきましょう。

5. 審査費用について: 申請自体に料金は発生しません。審査料は無料ですが、実際にパス発行が承認された際に発行手数料としてS$175(シンガポールドル)を後払いする仕組みです。オンライン申請時点ではクレジットカード情報等の入力は不要です。

補足: 申請は渡航予定日の3か月前から可能ですが、それよりも前には受け付けられません。例えば、7月に渡航予定なら最速でも4月から申請が可能です。反対に、直前の申請も避けましょう。目安として渡航の1~2か月前には申請手続きを済ませておくと安心です(処理に3週間程度かかるため)。

5.審査後の流れ:結果通知とIPAレター

・承認(In-Principle Approval)レター: 審査に通過すると、IPAレター(In-Principle Approval Letter)と呼ばれる承認通知書がメール添付 で送付されます。IPAレターにはあなたのパスが原則承認されたこと、そして実際にシンガポールに入国してパスの発行手続きを行うための詳細な指示が記載されています。これはビザの仮承認証明のようなもので、印刷して渡航時に持参することが推奨されます。日本人の場合シンガポールへの入国ビザは不要ですが、このIPAレターが入国時に持っていることが想定されています。

o   有効期限: IPAレターには有効期限があり、発行日から3か月以内にシンガポール国内でパスを正式発行する必要があります。この期限内に渡航し手続きを完了しないと承認が失効してしまうため、スケジュール管理が重要です。もし都合により期限内の渡航・手続きが難しい場合、IPA期限延長を申請できることもあります(原則として期限の少なくとも2週間前までに延長申請を行う必要があります)。

o   IPAレターの内容: 書類にはパス発行のために必要な追加手順(後述のMOMオフィスでの手続き予約方法など)や、シンガポール入国前に確認すべき事項へのリンクが記載されています。添付のDeclaration Form(宣誓書)に必要事項を記入し、発行手続き時に提出するよう指示される場合もあります。

不承認(Rejection)通知: 残念ながら承認されなかった場合、その旨と理由を記載したメールが届きます。不承認の理由は、年齢・学歴要件を満たしていない、定員枠が一杯である、提出書類に不備があった等様々です。理由が是正可能なものであれば、必要な対応を取った上で再申請や不服申し立て(Appeal)を検討できます。MOMのサイトにも不許可時の対応策が案内されています。

補足: 迷惑メールフィルタに振り分けられてしまうケースもあるため、申請後は定期的にメールボックスを確認してください。またメールが届いたら、内容をよく読み必要なアクション(期限内の渡航準備など)を速やかに行いましょう。

6.渡航とパス発行手続き(承認後)

IPAレターを受け取ったら、いよいよシンガポールへ渡航し、実際のパス発行手続きへと移ります。以下は承認後に必要な主な手順です。

1. シンガポールへの入国準備: 渡航前にシンガポール入国に必要な手続きを確認します。日本国籍の場合、短期滞在のビザは不要ですが、入国前にオンラインでSG到着カード (SG Arrival Card) の提出が必要です(全旅行者共通の電子入国カード)。

2. 入国とIPAレター提示: シンガポール到着時の入国審査で、必要に応じてIPAレターを提示します。入国審査官に「Work Holiday Pass承認済み」である旨が記録される場合もあります。

3. MOMオフィスでのパス発行(Issuance): 入国後は、MOMの就労パスサービスセンター(EPSC: Employment Pass Services Centre)にてパス発行の手続きを行います。オンライン発行予約を事前に行いましょう。予約はIPAレター記載のリンクやMOMのEP eServiceサイトから可能です。

o  オンラインでの発行手続き: もしシンガポールの携帯番号と住所がすでにあり、政府のSingpassアカウントを作成できている場合は、オンライン上でパス発行手続きを完結させることもできます。EP eServiceにログインし、必要情報を入力・必要書類を追加提出してオンライン決済を行えば、その場でパス発行が承認されます。オンライン発行後はメールで「Notification Letter(発行通知書)」が届きます。

o   EPSC窓口での発行手続き: 多くの留学生の場合、Singpassを持たないためEPSC窓口での発行となります。EPSC窓口での発行手続きに関して、オンラインでの事前予約が必須です。(こちら)オンラインでの予約は渡航日の一週間ほど前に済ませておくことで、渡航後すぐに窓口での発行手続きに移ることができます。

o   渡航後に事前予約をする場合、一週間後の窓口での手続きとなってしまうため、注意が必要です。筆者は渡航後に予約をしたため、ロスタイムが発生し、インターンシップの開始時期が少し遅くなってしまいました。事前予約が完了したら、予約した日時にセンターを訪問し、IPAレターとパスポート原本、そして以下の追加書類を提出します。

  • Declaration Form: IPAレターに添付されている宣誓書に必要事項を記入したもの。

  • パスポート: 入国日を確認するため、パスポートのシンガポール入国スタンプ押印ページのコピー提出や提示が求められることがあります。現在は電子処理されているので、スタンプは不要かと思います。

  • 帰国(出国)航空券: パス有効期限終了時にシンガポールを出国する予定の航空券または予約確認書。6か月以内に出国する意思の確認のため必要です。帰国先は日本に限らず第三国でも構いませんが、日程がパス期限内に収まっていることが重要です。

  • 受取人情報: パスカード受取を委任する場合、その受取代理人の連絡先(最大3名まで、氏名・身分証番号・電話番号)を申告します。自分自身で受け取る場合も、自身の連絡先を確認します。

  • 手数料の支払い: 窓口にて発行手数料175シンガポールドルを支払います。(クレジットカード、NETS等で支払い可能です。)なお、日本人は通常不要ですが、万一シンガポールへのマルチビザ(Multiple Journey Visa)が必要な場合は別途30ドルがここで課金されます。支払い後、その場でパス発行の通知書(Notification Letter)が渡されます。この時点で正式にWork Holiday Passが発行されたことになります。Notification Letterの発行によって、シンガポールでの就労が正式に可能となります。

4. 生体認証登録(指紋・写真): パス発行後、指紋採取と顔写真の登録が必要です。筆者の場合、EPSCでNotification Letterの発行の申請に赴いた際に、指紋採取と顔写真の撮影を行いました。

5. パスカードの受け取り: Work Holiday Passのカード(ICカード型の就労ビザ証)が発行され、指定の住所へ約5営業日以内に配送されます。もしくはEPSCでの直接の受け取りも可能です。

  • 受け取り失敗時: 万一配送に2回続けて失敗した場合、3回目以降は自動的にEPSC窓口での受け取りに切り替わります。その際は予 約不要で、配送失敗から3営業日後以降にEPSCで直接カードを受け取れます。受け取りの際はパスポート原本とメール添付の通知書を持参してください。

6. 勤務開始: パスカードを受領すれば正式に就労資格が得られます。(Notification Letterの発行後、就労を開始すること自体は可能ですが、その後カードを必ず受け取る必要があります。)カードにはFIN番号や有効期限などが記載されているので内容を確認しましょう。在留期間は発行日から6か月間であり、期間満了までにシンガポールを出国する必要があります。パス保持中はシンガポール出入国を繰り返すことも可能ですが、出国中も有効期限は延長されない点に注意してください。


以上が承認後の大まかな流れです。初めての海外就労ビザ取得で不安もあるかもしれませんが、シンガポールのWHP発行手続きは比較的シンプルで、指示に沿って進めれば問題なく完了すると思います。不明点があればMOMから届いた案内を再確認するか、MOMに直接問い合わせることも検討してください。(MOM問い合わせページ

7.実体験に基づくタイムラインと注意点

ここでは、実際にワークホリデーパスを取得した体験談をもとに、申請から渡航までの流れを時系列でご紹介します。

  • 申請準備(2024年4月中旬): 大学の春休み期間を利用し、必要書類を準備。日本の大学に在籍していた私は、英文在学証明書の発行をオンラインで行いました。しかしながら、在学証明書には必要とされていた国籍の記載がなかったため、申請に支障がないか、MOMに問い合わせをしました。(お問い合わせフォーム)返事としては、特に問題はなく、必ず学生証もアップロードするように指示を受けました。また、パスポート残存期間は1年以上あったため問題はありませんでした。

  • オンライン申請(4月下旬): MOMのサイトからオンライン申請フォームに入力・書類アップロードを実施。入力自体は30分程度で完了しました。申請送信後、受付確認の自動メールを受信しました。この時点で、シンガポールへの航空便のチケットも購入しました。

  • IPAの受領(5月上旬):申請から約2週間後に承認メールを受信。承認メールにIPAレター(PDF)と宣誓書が添付されていたため印刷し、宣誓書についてはサインをしました。

  • 渡航・入国(6月中旬): インターン開始に備え、開始1週間前にシンガポールに入国。入国審査は特になく、ゲートの通過のみでした。

  • パス発行手続き(6月下旬): 入国後すぐにオンラインでEPSCの予約を取り(幸い翌週に空きスロットあり)、指定日時にMOMのEPSCを訪問。必要書類一式(IPAレター、パスポート、宣誓書、出国航空券等)を提出し、受付担当者が内容を確認。5分ほどで支払い案内があり、その場でクレジットカードにてS$175(シンガポールドル)を支払いました。支払い後、通知書(Notification Letter)を受け取りました。筆者の場合、その場で指紋登録も実施(所要10分程度)し、全体でセンター滞在時間は約40分でした。

  • インターン開始(6月下旬): パスの発行手続きの終了後当日からインターンを開始しました。取得したNotification Letterを会社の担当者に提示し、在留資格の確認手続きを行いました。

  • カード受領(7月上旬): パス発行から5営業日後、WHPカードが受け取り可能との通知を受け取りました。その後すぐにEPSCを訪問し、カードを受領しました。

アドバイス:

  • 書類準備は早めに」:英文証明書の取得や各種書類のスキャンなど、意外と時間がかかります。また、書類に必要な項目の記載がない場合、問い合わせが必要になるかもしれません。余裕を持って準備しましょう。

  • メールチェック徹底」:承認メールを見落とさないよう、迷惑メールも確認すべきです。私は承認通知を見逃さないよう毎日メールを確認していました。

  • 航空券とスケジュール管理」:IPA期限内に渡航・手続き完了する計画を立てることが重要です。帰国便の予約もパス期限内の日付で取る必要があります。

  • 現地でのインターン開始までの計画」:現地到着後、EPSCに直接赴いてNotification Letterを取得する必要があるほか、住居の確保も必要となります。私は一週間分のホステルを事前に予約し、その間にパス取得関連の手続きのほか、住居の確保も行いました。インターンシップ開始日に余裕を持って間に合うような計画を立てましょう。少なくともインターンシップ開始の1週間前、余裕があれば2週間前にはシンガポールに到着するようにしましょう。

8.よくある質問と回答(FAQ)

最後に、シンガポールのワークホリデーパス申請に関して日本人学生から寄せられるであろう質問とその回答をまとめます。(最新情報はMOMの公式Webサイトを必ず参照してください)

Q1. 英文の在学証明書や卒業証明書はどう用意すれば良いですか?
A1. 在籍大学の教務課や学生課に問い合わせ、英語版の在籍証明書/卒業証明書を発行してもらいましょう。多くの大学では英文証明の発行に対応しています。発行に時間がかかる場合もあるため早めに依頼してください。それが難しい場合、公的な翻訳会社で和文証明書を英訳してもらい、大学で翻訳証明(認証)を受ける方法もあります。ただし可能な限り大学発行の英文書類を使う方が確実です。

Q2. インターン先がまだ決まっていなくても申請できますか?
A2. 可能です。 ワークホリデーパスは就労先が決まっていなくても取得できます。実際、内定前にパス申請を済ませておき、承認後にインターン探しを本格化させた例もあるようです。ただし渡航後できるだけ早く働き始められるよう、事前に求人情報に目を通すなど準備しておくと良いでしょう。

Q3. いつ頃申請するのがベストですか?渡航の何か月前が良いでしょうか?
A3. 渡航予定日の3か月前からの申請が可能です。早すぎる申請は受理されません(渡航予定日の3か月以上前は不可)し、逆にギリギリすぎると審査が間に合わないリスクがあります。公式には約3週間で結果が出るとされていますが、繁忙期は1か月以上かかることもあるため、最低でも渡航1か月半前までには申請を済ませましょう。

Q4. パスが承認された後、渡航予定を変更できますか?
A4. 可能ですが注意が必要です。 IPAレターには3か月の有効期限があります。この間であれば渡航日を多少前後させても問題ありません。ただし発行期限を過ぎないよう必ず期間内に入国・発行手続きを完了してください。どうしても遅れる場合は、期限前に一度だけ延長申請ができます。延長が認められれば猶予が与えられますが、申請が却下される可能性もあるため計画的な渡航を心がけましょう。

Q5. ワークホリデーパスを延長したり、6か月以上滞在する方法はありますか?
A5. WHP自体の延長はできません。 6か月経過後はシンガポールを出国する必要があります。どうしても滞在を延長したい場合、他のビザへの切り替えが必要です。例として、引き続き同じ会社で働く場合は就労ビザ(Employment PassやS Pass)のスポンサーを企業に依頼する、もしくは学生として滞在する場合は学生パスに切り替える、といった選択肢があります。ただし新規申請と同様の審査が必要です。

Q6. 渡航後に一時帰国や他国旅行はできますか?
A6. 可能です。 ワークホリデーパス所持中にシンガポール国外へ旅行や一時帰国すること自体は問題ありません。日本人であれば再入国時も短期滞在ビザなしで入国できますし、パス所持者は出入国カードにFIN番号を記入することで就労者として認識されます。ただしパスの有効期限は延びないため、出国中も6か月の期限はカウントダウンが進みます。長期間出国する場合は残存期間に留意してください。また、特定国籍の友人などビザが必要な場合はマルチプルビザを取得しておく必要があります。

Q7. 保険や医療について何か必要ですか?
A7. 医療保険への加入を強く推奨します。WHP申請自体に保険証書の提出は求められませんが、シンガポールは医療費が高額なことで知られています。万一の病気やけがに備え、海外旅行保険や留学保険に加入しておくと安心です。私は所属大学推奨の海外旅行保険に加入していました。

Q8. 申請書の記入は英語で行うのですか?
A8. はい、英語で行います。 オンライン申請フォームは基本的に英語表記です。氏名や住所などはパスポートに記載のローマ字・英語表記で入力してください。難しい英作文は要求されませんが、すべて半角英数字で入力する必要があります。不安な場合は事前に入力項目を日本語で整理し、対応する英語を用意してからフォーム入力するとスムーズです。

9.まとめ

シンガポールでのインターン生活への第一歩として、Work Holiday Pass(ワークホリデーパス)の取得手続きを解説してきました。必要書類の英語化やオンライン申請フォームへの入力など最初は戸惑うかもしれませんが、本記事で紹介した手順に沿って進めれば大丈夫でしょう。

最後に、これから申請する皆さんへのアドバイスです。

  • 公式情報の活用: MOM公式サイトやガイドラインを随時参照し、最新情報に基づいて手続きを行いましょう。シンガポールのビザ制度は変更される可能性もあるため、公式発表には注意を払うようにしてください。

  • 計画的な行動: インターン開始時期から逆算し、余裕をもってスケジュールを組み立ててください。書類取得・申請・結果待ち・渡航準備と、一連の流れには時間がかかります。計画的な行動がスムーズな取得につながります。

  • 不安な点は相談: 大学の国際交流センターや既にWHPを取得した先輩にも相談してみましょう。私は、知り合いのシンガポールでのインターンシップを経験した先輩に相談をしました。実体験に基づくアドバイスや最新の注意点を教えてもらえるかもしれません。オンライン上でも体験記やコミュニティ(ブログやSNS)で情報収集すると参考になります。

  • 貴重な経験を楽しむ: ビザ取得は手段であり、最終目的はシンガポールでのインターンシップを通じた成長と経験です。手続きを確実に終えたら、現地での生活と仕事を存分に楽しみ、自分のキャリアや視野を広げるきっかけを掴みましょう!

万全の準備を整え、問題なくワークホリデーパスを取得して、シンガポールでの楽しいインターン生活をスタートさせましょう!シンガポールでのあなたの挑戦を応援しております!!

 

参考資料

Work Holiday Pass (under Work Holiday Programme)
https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/work-holiday-programme

Singapore Arrival Card (SGAC) and Electronic Pass (e-Pass) Enquiry Portal
https://eservices.ica.gov.sg/sgarrivalcard/

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出張でシンガポールに来る場合のビザと税金と宿泊施設(2025年4月1日更新)